前回までのあらすじ

ラリー会場で交わした「バイクで来年また会いましょう」という安易な約束から、免許もないのに KTM 1190 ADVENTURE R を即購入。
雪が舞う3月の屋上教習所で肩を痛めながらも 大型二輪免許を取得。
その後、仲間と 3回のプチツーリング(合計約300km) をこなし、そして 4月21日、まさかの海外旅行へ飛び立つ ことに。

1. 納車からの3本ツーリング

ツーリング① 暴風の中、厚田(あつた)へ

「納車ツーリングだー!」と意気込むも、まさかの強風いや防風。
ヘルメットが揺さぶられ、橋の上では洒落にならない恐怖だった。
「これが納車初日か…」と震えながらも、荒天の中に映えるKTMの鮮やかなオレンジが印象的だった。

ツーリング② 極寒の中、浜益(はまます)へ

北海道の春は甘くない。油断すると雪が降る。
冷たい風が指先に突き刺さり、グローブの中で「あれ、指まだ付いてる?」と真顔になるほどの寒さ。
温泉に浸かりたかったが、目的地は海沿い。さらに寒いのではと悟り、休憩もそこそこに帰路へ急ぐ。
しかし記録に残っている写真はソフトクリームを食べているのであった。

なんでソフトクリームなんて食ってるんだろうか

ツーリング③ 京極(きょうごく)でコーヒーを飲みに

3度目の正直で天気に恵まれる。
「京極町の湧水でコーヒーを淹れようぜ!」と仲間とツーリングへ。
バイクを走らせる喜びがじんわりと体に染みるも… 寒い。
さらに仲間がアホみたいに飛ばす。「俺、初心者だって言ってるだろ!」と叫びつつ、約300kmを走破。

寒い実に寒い泣くほど寒い

「じゃ、オレ4月21日からスペイン行ってくるんで!」

2.いざ海外へ

あれ? つい最近まで肩を痛めて呻いていた男が、いきなり海外ツーリングの計画をぶち上げ出発している。

旅の目的は…
✔️ マドリッドでチャンピオンズリーグ観戦(人生初の生サッカー)
✔️ 本場スペイン文化を満喫(闘牛・フラメンコ)
✔️ そしてギリシャへ移動してパルテノン神殿…などなど

この辺の詳細はまた別記事で!


. ギリシャ・ロドス島でスクーター大冒険

アテネから飛行機を乗り継ぎロドス島 へ。
ホテルにチェックイン後、目の前に レンタルバイク屋 を発見。

「これは運命? 借りるしかないだろ!」

しかしミッション付きバイクは高額だったため、安い 50cc~80ccスクーターかな?(3日間で約7000円) を借りることに。

🏍️ 1日目:ロドス島の下見

青い空、白い建物、心地よい風…
が、 これがほぼスクーター初体験。
ハンドル操作にドキドキしながら無事1日目終了。
しかしヘルメット被ってる人がだれもいないな・・・

🏍️ 2日目:午後から島一周チャレンジ

朝から気合を入れるはずが、ダラダラしていたら 昼過ぎ出発。
これが後の 地獄を招く ことになる。

ロドス島の一周は約210km。
スクーターの速度は 平均だと時速30kmが限界かな。
単純計算で7時間かかる…昼出発ではギリギリ日没。
ちゃんと考えれば分かることなのだが
ツーリング経験もほとんどない俺は、まなんとかなるでしょ(なんともならない)
なのである

しかも…
✔️ 灼熱の太陽が照りつける
✔️ ノーヘル・Tシャツ・ハーフパンツ(完全にアウトな装備)
✔️ スタンドの位置がわからずガス欠の危機に
✔️ 食料無くて道中レッドブル一本でしのぐ
✔️ 道は荒れ気味、山道の登りは超スロー全開でも遅すぎる!

これでは修行どころではなくただの苦行。
日本国内ならいざしらず、ここはギリシャのロードス島。
しかも冷静に考えると俺が今ロドス島をバイクで走っていることを知っているのは誰もいないのである。
誰にも言ってないんだから当たり前だが。

上り坂が死ぬほど遅い、絶望的に遅い、泣くほど遅い

「これはヤバい…」と悟るも、引き返す選択肢はなし(人生は一方通行なのだ)!

覚悟を決めてアクセル全開!休憩はなし。
人影のない道をひたすら走り続け、ついに 夕方8時前に生還した。
脚ガクガク、背中ベタベタ、肌は真っ赤に日焼け。
観光要素ゼロの サバイバルラリーは終了。
後にも先にもあんなに緊張しながら走ったことは無い(そのせいでほとんど写真が無い)。

まぁ
「バイク人生初のロングツーリングがこれって…なかなか俺もイケてるじゃねえか」当時43歳

🏍️ トルコでもスクーター三昧

ロドス島からフェリーで トルコへ入国。
カッパドキアやイズミルでも スクーターを借りて爆走。
もはや一種の病気?狂気である。
毎回「地図が読めない」「舗装が悪い」「言葉が通じない」の三拍子にもめげず、気が付いたらそれにも慣れている。
無事日本へ生還を果たす。

「よく生きて帰ってこれたな…」とも思うが、それが“旅の醍醐味”ってやつだよね?ちがう?。

今振り返ると「あれ以上の冒険(無茶)はないかも」

振り返れば、免許取得1か月後に海外でスクーターを借り、見知らぬロドス島を単独で一周。
無謀すぎたあの旅が、後にも先にもバイク人生最高峰の冒険だったかも。
あまりに刺激が強すぎて、その後の旅ではちょっとやそっとじゃ 心が動じなくなる という副作用も発生した。
しかし、この経験が 今の自由なバイクライフ に繋がっている。

GPにイタリアに来いよといわれた時に、前のめりで即答できなかったかもしれないね。

次回…
👉 「イタリア人冒険家GP BOMBERとの出会い」につづく


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